――俺には、ただ一人の家族がいる
そう、機械オタクで汚くて臭くてバツイチで頼りない親父がただ一人
親が変人でなければごく普通の高校生であるような平和な学生生活を送っていた、椎名健(しいなたける)だったが・・・
ある日の朝、いつも通りの階段をおりてリビングへ行くと、メイドのような格好をした見知らぬ女が立っていた
俺は、驚いて唖然としていた
・・・誰だ?こんな朝っぱらから、人ん家で・・・・・
「・・・お、おい?」
声を擦れさせながらも、動揺を隠すように声を出した
すると、女は俺の声に気づいたように、こちらを振り向いた
『・・・』
・・・なんだ?俺のことをじっと見て・・・・・・
女は振り向いて俺を少し凝視したあと、表情を変えた
『・・・おはようございます。ご主人様』
―俺は、耳を疑った
ご主人様・・・だと・・・・・?!