ただ、愛されたかったんだ…。

作者Tequila~テキーラ

「ふぁぁ~ぁん~、おはよぉ~」



目をこすり、無理やり重いまぶたをあける。



真っ先にあなたの寝顔を見る。


ふふっ♪可愛い寝顔だねっ、なんの夢を見てるのかなぁ?


思わずいい子いい子しちゃうよっ。





目覚めたときあなたが隣にいるという幸せ……。

何にも変えがたい幸せ……。

その幸せをかみしめている、全身で……。




おでこに軽くキスをして私はベットから降りる。



彼は毎朝必ず起きたばかりでマルボロを吸う。



カラダにわるそー。

んまぁそんなけだるい感じも妙にセクシーで好きなんだけどねっ。




いつもの朝を迎えている彼を

私は肩肘ついて

軽く笑みをこぼしながら

――――息を潜め眺めていた。






彼には……もう触れてはもらえないんだけどね。






冬が始まったばかりの頃だった。