木陰のワイングラス

作者野本英舜

警察に放火の疑いで逮捕されたときに、22歳で自殺した恋人・麻衣子を追悼する目的で書かれた純愛小説。ノンフクション

吐血、心臓病そして火事。

放火と警察に疑われ逮捕される。

留置所での生活・・・

僕は放火などしてない。否認!

しかし、刑事の脅迫、侮辱、公権力の濫用。

そして虚偽の自白の強要。

これは、10年前に自殺した恋人・麻衣子へのメッセージであり、追悼の記録である。

この国は、どこへ行こうとしているのか?

貫き通す意地の壊れた貧困なる精神で、人々はしあわせになれるだろうか?

問いかけに、誰か答えてほしい!


 麻衣子は青春のかけがえのない想い出をのこしてくれて、そして、今の僕がある。36歳だというのに、人生に疲れ果てた自分がいる。

 生気を失ったからといって、美を求める心を捨てたわけではないけれど、神様はひどすぎる。

 僕は僕なりの人生を生きるしかない。

 母よ、僕はしっかり生きて、それから死にます。

野本英舜