私の部屋は、秘密基地だった。

普通のワンルーム、何気ないメンズのワックス。


忘れ物した、というあなたの言い訳にズブズブと浸かりこんで、それを自分の言い訳とした。



心地よさは0.02㎜の薄い膜越し、その外は寒くとがって心がどんどん磨り減っていく。


私はそんなけなげな人間ではない。



それでも、どんな手を使ってでも、手に入れたかった。