幻歴1239年、花の国は鏡の国への進軍。戦禍の病室で目を覚ました女軍人ゾーイは、自らの体が人のものではないことを知る。彼女が目にした最後の希望とは---。

少女は目覚めた。人を壊すための改造人間サイボーグとして。





時は、幻歴1239年。



科学の都、鏡の国。


調和の都、水の国。


芸術の都、花の国。


そして400年前に失われた信仰の都、月の国。



四つの国から成る世界を切り裂くように、花の国が今まさに鏡の国へと侵略を始めた。


激化する戦争の裏で、人体強化を現実のものへ昇華させた改造人間サイボーグが目覚める。


彼らはどこから来たのか、何故生まれたのか。


彼らは人と言えるのか。



「人を人たらしめるものとは、何なんだろうね。」



月の裏側に隠された秘密。


残された希望。


人を救うのは神か、それとも。