「永遠」は意味を成さない、この関係に保証はない。なびく糸のように、しずかな約束だけがゆるやかにかよっている



「君のことを考えていた」

彼が言う。

「考えている間、この意識は君だけに使われる」

「それはある種、君に憑依されているのと大差ない」

「そんな気がする。奪われているのとは違う、あれは」

――何者にも介入されない美しい瞬間だと。




過去すら愛したいと思う気持ちは罪なのでしょうか。あなたの過去を身の程知らずにも抱き締めたいと思うことは、かつてあなたが傷付けた人たちをふたたび傷付けることになるのでしょうか。引きちぎれそうなほど腕を伸ばして、ようやく繋ぎ止めた先から魂ごと作り変えられてしまうことを共犯と呼ぶのでしょうか。



2024 - 2025

nilの短編

本編終了後時系列 各章順不同 ゆったりサ終まで更新


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Thank you to Maho novel and all readers.