ベアトリーチェの獣(上巻)【完結】

作者桐野アオ

かわいいは正義、でもかわいいだけじゃ生きられない。汚れた世界を逝ったり来たり。奪われたものを奪い返すまでの話。






「俺が喋れること」

「まだお前と俺だけの秘密ってことに、しとこうぜ」

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紙が擦れ合うと

端々が重なり、折れ曲がる音が漣のように連なった。

それは血液が循環する音のようで

ひしめき合う紙の気配は巨大な生物の息遣いに思える。




「選べばいい」


「おまえが死ぬ必要や理由はもうどこにもない」




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本作品はフィクションであり、登場する個人や組織、事件等はすべて架空のものです。犯罪行為、法律や法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。