信じた嘘と伝わる本音

作者黒井透

疑うつもりなんてないし、疑って欲しくもない。




でも、すぐに言わなかったということは、それまで隠していたということで。




隠していたということは、それは嘘をついていたということだ。




疑って当然だと思う。誰だって疑う。




でも、物には言うべき時とそうでない時がある。それくらい私だって分かってる。




嘘をつかなければ、伝えられないことがあるってことでしょう?




分かってるよ。分かってるけど。なんて面倒臭いんだ。




本音を信じてもらうために、嘘をつく?




それじゃ、嘘を嘘だと信じてもらうためには、信じるためには一体どうしたら良いんだ。




都合の悪い物ばかり、本音だと思われる。本音だと思ってしまう。







――そんなのは、もう嫌だ。