高校を卒業しても、進学も就職もしない‘僕’。友達が進学や就職していくなかで、次第に焦りだす。が、いまさら勉強しても、入れる大学は2流や3流の大学ばかり。かといって面接にいっても生来のあがり症のためうまく、就職できるとは思えない。部屋を出る回数が次第に減っていき、肌が汗ばむ季節になる頃には‘僕’は自分の部屋が世界の全てになっていた。 そんな生活が4,5年続いたある日、両親が事故で亡くなる。ああ、これからどうなるんだろう?両親の告別式が終わり、名前の知らない親戚や従兄が帰ったあと‘僕’もそろそろ死のうかな、生きていてもしょうがないし、と考えていたらチャイムが鳴り玄関へ行くと見知らぬ男がたっていてこういった。 「ハ、ハラへった。」 その日から‘僕’と‘彼’の奇妙な日々が始まった。