――『僕ら』はきっとそんな簡単な関係じゃない。僕は何故かそう信じきっていた。
―『僕ら』はきっとそんな簡単な関係じゃない。
僕は何故かそう信じきっていた。
――どうか、きみが
幸せになりますように……―
思ったよりも
ずっと華奢な体を包んで
僕は心のなかで
何度も繰り返した。
窓の向こうは
朝靄で真っ白だった。