14才、中学3年の加納士郎(かのう しろう)は特に何の不満もない学生生活を送っていた。
勉強は上の下。
運動も上の下。
女の子からの評判も上の下。
「割といいよね」その程度。
何でもできるのはみんな知っている。
でも、何が出来るのか?
「俺ってなんなの?」
※
16才、高校1年の水上悠子(みなかみ ゆうこ)は、祖母の実家の蔵から綺麗な飾り模様の小箱を見つけ、自宅に持ち帰る。
彼女がその小箱を開いたとたん、中から小さな赤ん坊の手が伸びてきて、彼女の体の中から何かを抜き取った。
その後小箱の中から溢れ出した光は、四方に飛び散り、霧散する。
その日から悠子の体に次第に奇妙な変化が現れる。