「おい、西暦っていつからかわかるか?」
旅の途中、彼が私に聞いた。
「……ふ~。キリストが生まれた日でしょ?
それぐらい、私だって知ってるわ。」
「じゃあ西暦が適用された理由は?」
「…」
「お前なぁ、少しは勉強しろ。世界史もそうだが、歴史は常に動くんだ。
過去も未来も、すべてしれば変わる物語があるんだから。聞いてるか?」
「…偉そうに。聞いてるわよ。」
「俺とお前が出会い、これから起きる事は全て偶然であり必然だ。
これからは過去も未来も受け止めていけよ?」
彼が言った言葉に意味があったと知ったのは大分先だった。
全ては偶然であり必然である。
彼と私が出会った事も。
過去の栄光も。
これから起きる未来の出来事も。