こんな世界消えてしまえばいいと思っていた。
偽善者に溢れるこの世界で、己の間違えさえ気付かない愚かな者に溢れるこの世界で、私は何を見出せるだろうか。
苛めはダメだとか、人を傷つけちゃダメだとか、口にするのに理解しているのに、傷付けあう者たち。
そんな者に溢れる世界を、私は嫌いだ―――
そんなある日、世界は黒い闇に毒されようとしていた。
私には関係ないことだと、寧ろ壊されてしまえばいいと思っていた。
でも、一人の小さな勇姿に私は胸を打たれていた。
少しは、好きになってみてもいいかもしれないと思った。