BoN
純粋、そして、リアル。
この作品は、最後までドキドキハラハラの連続な冒険小説な半面、今の子供達の現実を伝えているような気がします。
幼馴染に素直になれない。
姉のことしか見てくれずに涙する妹。
自分を見失うあまりに、仲間さえも見失う。
大人の身勝手のせいで捨てられ、愛に飢える少年。
人間関係は、今の現実のように、とても精密で、脆い設定です。
しかし、この小説の子供達は、とても率直で純粋な発想をしていると思います。
これが、今の子供達との違いであり、この小説キャラの特徴ともいえそうです。
この小説は、ストーリーはもちろん、前の方のレビュー通り「濃く深い設定のキャラクター」の輝く小説ですね。
いいえ、作者様はきっと「キャラクター」を書こうとしたのではなく「人間」を書こうとしたんでしょうね。だから、ここまで深く、納得のできるキャラクターが生まれたのだと思います。