周囲を海と山に囲まれた、竹を斜めに切ったようなクレーターにも見える町、星ヶ原市。
神奈晶───彼の両手には、ある能力が宿っている。
意思を持って触れることで、あらゆるものを消すことが出来る能力を持っている。
それは、忌むべき能力だった。
彼にとって、かつて悲劇を生んだ力だった。
星ヶ原市を騒がせている、連続変死体事件。
彼はあることをきっかけに、その事件へと巻き込まれる。
忌むべき対象は能力ではなく、それを行使する人の心。
悪しき心で能力を使う人に、苦しめられている人が在る。
───星より授かりし力〔ギフト〕を持つ者の戦いが、今始まろうとしている。
------------------------------------------------
2008.07.20 序章掲載
2008.09.07 第一章三節まで掲載