美とは孤独である。美を持つその少年は孤独の末に、自分の使命を悟る。ある少女との出会いは彼に棘を巻き付けた。しかし、彼は自らその棘を体に食い込ませてゆく。
美とは孤独である。
光り輝くその存在を周りは崇め、奉り立てる。ゆえに美は遥かな高みへと押し上げられてしまうのだ。
美に勝る物は無い。
だから孤独。
人は孤独では生きてゆけない。しかし人は美を求める。
美は必要とされても美自体は何も必要としない。
美の象徴であるような美少年が、美を失う時。それは美よりもはるかに大切な物を見つけたからだ。
《完結》