清乃
まいりました
「まいりましたっ」
そう言って土下座したくなるほどの作品。
誤字がなければリアルでもなんでもないほどに飛びぬけている。
宮部みゆき「模倣犯」のピースを彷彿させるヒロの美しさに心奪われる。
長編を久しぶりに読んだ。
ディズニーランドに行った時のようにその楽しい一日が終わって欲しくなくて、読もうと思えば読めたものを五日間かけてじっくりと楽しんだ。
またはこの世界にどっぷりと浸かってしまうのが怖かったから。
日常から地軸がずれてしまうような感覚があったから。
読者を絶対に飽きさせない。
数百と惜しみなく散りばめられた独特の比喩表現、構想、ストーリー性のどれもに知性を感じる。
深夜に一人で読んでいたのだが場面展開の際は後ろから肩を叩かれたかのようなドキドキ感と緊張感を持って楽しめた。
ケータイ小説でここまで高いレベルの作品が読めるとは思わなかった。
個人的にはヒロが「キスしていい?」とわざわざ聞いてくるシーンがすごく好き。
ブラボー!!