桜の開花が盛りを迎えた南信州。そこで陽子と隆也は出会う。互いの心に宿る孤独の影を感じたか、二人は急速に心の距離を縮めていく。バイクが架け橋になったと思えたこの出会いには、数百年の時を越えた必然性が潜んでいた。お互いが知りようもない過去の出来事にまつわる記憶。徐々に二人の出会いの理由を明らかにしてゆく。人はなぜ血に囚われなければならない?そんな問いかけに答える者は誰もいない。