『人の人生は、みんながみんな平等な訳では無い。』
いつも僕の隣にいた幼なじみの、口癖だ。
いつも現実主義者で、僕をからかうのが大好きな、幼なじみの。
でも僕は、そんな幼なじみに、いつもこう返していた。
『そんなこと無いよ。』と。
今思えば、その言葉は彼女にとって何よりも残酷で、重いものだったのだろう。
そんな言葉を僕は、いつも返していたんだ。
例えるならば、充分過ぎる努力をしている人に、もっと頑張れよと言っているのと変わらない。
でももう、そんな後悔をしたって遅いと分かっている。
普通の日常が、僕にとっては普通では無くなってから、ずっと。
ずっと、だ。