叶う夢と書いて、かなむ

作者麻耶

僕は35才になる。


名前は叶う夢と書いて、かなむ。


立派な名前をつけてくれたものだ。


夢は叶ったか?


と思っている人がいると思う。


その事については、後々話をしたい。


今言える事は、人並みに生きてきていないという事。


乳幼児の頃の記憶はないが


数年前までの覚えている記憶では


決して『幸せ』だと思った事はなかった。


全てに反抗して生きて来たかもしれない。


自分の名前を何度恨んだことか…


そんな名前が嫌で…偽名を使った事だってある。



『叶夢…素敵な名前ですね。』


女性から、何度も言われた。


言われるたびに、『うるせ-』と内心思っていた。



本当に、どんな気持ちで名前をつけたんだ。


あなたは。



あの頃は、愛さえ架空のものだったかもしれない。