「ねえスーパーファミコン買って!スーパーファミコン!」
「中学生まで待ちなさい」
「だってみんな持ってるんだよー。」
「みんなって誰?」
「けいこちゃんと、あと、ともみちゃん」
「ふたりじゃない…だーめ。」
「ママのけちっ!」
「しおり、よく噛んで食べなさい」
「しおり、玉ねぎ残さないの」
「しおり、わがままばかり言わない」
「しおり、ファミコンは1日一時間。」
しおりは高校2年生の時に「子供ができたから彼と暮らす。」それだけ書き置きし出ていった。
しおりは玉のような可愛らしい息子を産み、手塩にかけて育てた。
「暗くなる前に帰ってきてね」
「うん、ママ」
「風邪にならないように、うがいと手洗いはしてね」
「うん、ママ」
「悠真は優しいけど、知らない人にはついてっちゃだめよ」
「うん、ママ」
続く