病に侵された父親の元へ、秋田から息子が尋ねて来た息子は両親の離婚後、母親と一緒に秋田へ行き、今では秋田を地元とし、結婚して暮らしていた

「釣りに・・・行こうか?」

初老の父親が誘ってくれたのは、人生二度目の釣り


一度目の釣りはまったく覚えていない


たぶん、その釣り場で遊んでいたから、まったく記憶に残らないのだろう


釣り場で釣糸を垂らし、浮きを見詰めながら、今まで聞けなかった全てを、父親に尋ねた


父親は一つ一つ記憶を辿りながら自身の人生を振り返る


学校や社会では教え無い家族愛、絆、人としての行き方を最初で最後に語る、父親の半生の物語


天竜辰水が描く【愛の意味】