近づきたいけど近づけない。あたしの右手を見られたら、きっと嫌われるから…。
黒いランドセルの集団の中に、キミを見つけて嬉しくなった。
スキップしたくなった帰り道。
「俺さー」
キミのよく通る声が聞こえる。
「手が綺麗じゃない女の子って、嫌いなんだよねー」
聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
慌てて右手の甲を左手で隠す。
相変わらずキミは真ん中で楽しそうに笑ってて、
でもあたしは、立ち止まって泣いていた…。
サクラ色参加小説3
お題;嫌い
2008/11/30付の注目作品に選ばれました。
ありがとうございます!