涼音
切ない
仲のよかった幼なじみだった紗知ちゃんと一真くん。
けれど、一真くんに彼女ができてから紗知ちゃんは距離を置くようになり…。
紗知ちゃんはずっと一真くんのことが好きだったんですね。ただ、気付くのが遅すぎた。
気付いたときには一真くんには彼女がいて、届かない存在になってしまっていた。すごく切ないです。
紗知ちゃんの心理描写がとても上手く、ゆっくりと自分の恋心に気付くまでが素晴らしかったです。
金木犀の香りもいいアクセントになっていて、切なさに深みが増していました。
最後に明かされる一真くんの本当の気持ち。これが本当に切なかった。だって2人は両想いだったのですから。
読み終えたあと、表紙に戻ると胸にグッとくるものがありました。
ハッピーエンドではなく、切ない余韻を残す終わり方もよかったです。
2人の何気ない会話が心地よかったです。どんな形であれ、どうか2人が幸せになってほしいと強く願わずにはいられませんでした。