Take1
「…あぁ、大丈夫だから、心配すんな。」
俺は心配するお袋を宥めながら電話をきった。
お袋は数年前から病気でずっと寝たきり状態だ。
親父はちょっと前から行方不明。
だから俺は入院費と自分の学費を稼ぐためにアルバイトをしながら高校へ通うことにした。
しかし、俺の家の周りにはバイトを雇ってくれそうな店はなかった。
しょうがなく俺は高校の近くの学生アパートに引越しアルバイトを探すことにした。
「…さてと。」
俺はバイトの面接に行く為、家を出た。
履歴書をボロボロのエナメルバックに入れ、バイクにまたがりヘルメットをかぶった。
そしてバイクはエンジン音をたて、走り出す。
そしてバイト先の店へ近道しようと思い、俺は路地へとバイクを走らせた。
これが俺の運命を変えた、最初の出来事だった。