小泉秋歩

未来と過去を視る少年と、その一族
西暦2030年の日本。密かに警察の捜査を支援する一族がいた。
「国見家」――透視や予知能力を持つ特殊な人々を有する一族であり、警察のみならず、政治・経済など日本の裏側を支えているとも噂されるほど。
しかしその優れた能力は本人の命を削り、そのために歴代の国見家当主は短命なのであった。
「過去と未来を視る能力」を有し、困難な事件を解き明かす現当主・国見利彦と、彼を補佐する従兄弟の国見純也。
彼らはまだ、現役の高校生であった――

神秘的な雰囲気を有するサイキック・サスペンス。
警察や知人から持ち込まれる心霊絡みの難事件を利彦達がその能力で解決する、という展開をストーリーの主軸としつつ、その背景に「国見家」の一族に渦巻く複雑な人間関係を描いており、奥が深いです。
利彦、純也、令香、榊といった従兄弟達の間にも、それぞれの「家」を巡る複雑な感情が交錯しています。
特に、純也から利彦への感情は、嫉妬と愛情の微妙な境界線上で揺れ動いているのが興味深いです。
比較的のんきな性格の美少女、榊のキャラクターもイイですね。

まだ完結していないので、できれば続きを読みたい作品です。