黒く艶ややかその体を大きくしならせて。
大仰に真っ青な空を仰ぐ。
あたしは彼のそんな姿を見つめていた。
一時も目を離すことができない。
お願い。
どうか、どうか。あたしの願いを叶えて。
狂おしいほどの熱が体をめぐり、あたしは手を伸ばした。
その先に、桃色の幻想がやってくることを信じて。
☆昭和ソーダ水のお題小説です。テーマは「桜」☆