世の中の人間は、男と女に分けられるものだと思っていました。
でも、「両性具有」なんていう言葉は誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。
「第三の性」「インターセックス/インターセクシュアリティ」と言われる人びとは、現実に多く存在しています。
でも、今の日本の社会の中では、その存在はほとんど知られていません。
誰にも言えず、固く口を閉ざし、心に傷を抱えて暮らしています。
わたしがふとしたことから知ったそんな人たちが、いつの日か、ありのままの姿で暮らせることを願って、この小説を書きはじめました。
高校1年の夏、自分がインターセックスであることを知った凛子は、もう恋はしないと決めていた。
そんなある日、ミュージシャンを目指す“翔(カケル)”と出逢い、だんだんと惹かれていく凛子。
「でも、わたしはオンナじゃない・・・」
凛子のせつない思いが行き着く先は・・・。