弘嶋ラモン

現実と夢の狭間で…
訳もわからず、日常では考えられない様なトラブルに巻き込まれ、どうしていいかわからない。そして、言いようも無い恐怖から逃げ惑う自分。迫り来る恐怖に追いつかれようとした刹那、つまづいてしまう。もう駄目だと思ったその時、目が覚める。しばらくの混乱の後、少し前の状況が夢だと理解する。そして夢で良かったと思う。そしていつもの日常が始まると、またそこで目を覚ます。
アナタはそんな夢をみた事があるだろうか!?目覚めてから本当に、訳がわからなくなって混乱した事がある。この話はこの作品とは無関係だが、読んでいて、なぜか昔みた夢の話を思い出した。

この作品は、精神病・抗うつ剤・副作用…など重いテーマが骨組みにある。それは経験の無い人間にとっては一見理解しがたい様な、敷居の高さがあると誤解されがちだが、この筆者は見事にその課題をクリアしていると感じさせる。思い出・トラウマ・コンプレックス・無気力など誰もが共感、又は理解の超えない表現やストーリー展開が上手い。それはまるで、現実と夢の狭間を行き来する旅人のようだ。
このレビューを読んで、僅かでも興味や想像力や好奇心が刺激された方は、お勧めします。