俺、柏木響夜は代わり栄えのしない学園生活を過していた。
県内の進学校に通っているのにもかかわらず学業の方はからっきしダメ。
小学生の時に親の見栄で受けたお受験で合格してしまいそのままエスカレータでここまできた。
勉強もダメ、スポーツもダルイので嫌、何事にも中途半端ともなれば自然と引かれたレールの上を外れてしまう。
そうなるまでここではそんなに時間は要らなかった。
一般にみたら不良ではなくてもここではそういうレッテルを貼られ一目置かれてしまう。
まったくこれだからお坊ちゃま学校というのは、といつも思う。
実際にやっていたのだってたいしたことは無い、遅刻したり夜中に外出してるだけだ。
噂というのは尾ひれがつくもので自分のした事の何倍にも膨れ上がって飛び回る。
そんなどうでもいい毎日の中彼女とであった。