もし、一つだけ願い事がかなうなら、何を願う?
そんな質問を、一生に一度はされると思う。幼い日に問い掛けらるるように、あるいは学び舎の元で将来を語り合うように、また、世の中を憂いて、行く末を案じるように。
老若男女、古今東西、何かを祈り、願う人の心は同じ。それが叶えば、人は幸せの切れ端を己に得られる。
だが、もし本当に何でも願いがかなってしまう方法があったらどうなるだろう?
それが、誰に対しても平等に与えられた権利だったら?
その仮定は、矛盾と混沌を生み出すのに十分すぎる理屈を秘めていた。