だって好きだったから。

作者志良






―ねぇ覚えてる?




私達が初めて出逢った日のこと。





そう、私が言うと彼は決まってこう言う。






―あぁ、暖かい日だったよ。





私達が初めて出逢った日はね


冬、だったんだよ?



今でも瞼の裏に映るんだ。


あの日、あの時、あなたの表情が。




だって好きだったから。