いつもこの『メトロポリスプロジェクト』の当日パンフの中にあるプロフィールの欄に役者に坪井一広が『熊と芝居をした経験あり』と書いるので、時折、お客さんに「なんですか、熊と芝居したって?」という質問を当然、受けることになる。
熊と芝居をした、というのは、例え話ではないし、誇張した作り話というわけでももちろんなく、ただ本当に熊と芝居をしたことがある、ということだ。
坪井一広は『熊と芝居をしたことのある』たぐいまれな人間である、だがそれ以上に、『熊と芝居をしたこと』を通じて、誰一人、体験したことがない経験をしたのだった。
私はその事を書き残しておきたい。