―初めから、終わりなんて見えていたのかな。派遣社員と上司の秘密の恋、狂おしい毎日と彼の左の薬指に光る約束。けれど、捨て身で愛したのは私だけだった。
―ねぇ、愛してるって言って。そうしたらちゃんと嘘だって分かるから。
夢を追うわけでもなく、仕事に打ち込むわけでもない。起きて働いて食べて寝る…そんなありきたりな毎日を繰り返す私。
だけどあの日から全ての歯車が狂い始めた。傷つくことしか出来ない、それなのにどうして出会ってしまったのだろう。