‡悲恋‡

作者

上手に伝えられないまま


言葉と言葉がすれ違う


はぐれた手と手は


お互いに「さよなら」という言葉を


選んでしまった


「いつもいっしょ」と二人で唱えた


風吹く丘は


僕らにとって


儚く途切れる夢のように


記憶の中で薄れてゆく景色になった


by aquatimez