触れるだけのキスを

作者ゆな

空虚な部屋で、ただただ彼が来るのを待った。
「弥生さん。次は、次は…いつ会えますか?」
何もない私、何もない彼。

「すぐ来るよ」
嘘。否、真実はいらない。





氷水みたいに冷たいキスを




私に降り注いだ。










「冷たいのは、貴方のほうです」








そこには、私と彼だけ。



それは、きっと期限付きの恋。