月季花
日常に巣食う冥い影。
――まよい屋小町って知ってる?
人々の間で囁かれる、「都市伝説」。
――対価を払えば力を貸してくれる
美人な「親友」の「引き立て役」。
学校生活の中で生まれる劣等感。
美男美女の二人、平凡な自分。
美人で派手な友達。クラスの中心。
そんな親友に見捨てられたら、私はきっとクラスで孤立してしまう。
――まよい屋小町は必要な人間の前に音もなく現れるんだって
自分を見てほくそ笑む「親友」の姿。
むかつく……
むかつく、むかつくむかつくむかつくむかつく!!
心の中で呟くのは「親友」に向けた呪いの言葉。
――ようこそ、まよい屋小町へ――
友達同士の間に芽生える仄暗い感情。
汚くて黒くてドロドロした嫉妬。
誰しも覚えのある「友達との関係」。
あいつさえいなければ――……
身近な感情であるだけに、それと絡んだ非現実的存在の不気味さが際立っています。
茅の前に現れた「まよい屋小町」。
彼らの求める「対価」とは。
物語の結末は……
薄ら寒い暗がりの空気が漂うオカルトホラー、是非ご一読下さい♪