闇の中――
猫はひとり歩く
恐れられながら
憎まれながら
これが俺の性なのだと笑いながら
孤独に恐れはない
ゆらりゆらりぶらぶらと
闇を歩いて煙管を吹かす
ゆらりゆらり
そんな猫が見つけるのは、小さく、しかし彼にはとてもおおきすぎるものだった
そんなことも露知らず、彼は運命へと歩み寄る
ゆらりゆらりと
ぶらぶらと
闇を猫はひとり歩く――
ひとり――――