風化しつつあった高校生連続失踪の意外な真相。
10年前、琴美の従姉妹である里美が失踪し、直後にその同級生も姿を消してしまった。
警察の捜査により容疑者が浮上するが状況証拠のみで全く物的証拠が見つからず逮捕には至らなかった。 事件なのか事故なのかもわからないまま二人の失踪は人々の記憶から薄れ風化していった。
琴美が、里美の失踪時と同じ歳になった夏、琴美の中で止まることなく渦を巻いていたものに終止符を打とうと決めた。
様々な憶測が飛び交い、心無い噂が流れたあの街へ、琴美はひとり旅立つ。