可愛い子には声をかけるひな汰と、男子にはちょっぴり毒舌な柚来。そんな二人はけれど、心にはまったく違う感情を隠していた。馬鹿で可愛くて、切ない二人の学園物語。
「なあにしてんの。」
「――――べつに?」
きっかけはその一言だった。
「今日も可愛いね! 放課後、どう?」
「君の頭は今日もお花畑だね。あたま、大丈夫?」
眼鏡系女子×お花畑男子?
「ねぇ、何で俺のこと見てくれないの?」
「キライだから」
でも。ほんとは、ずっと、君のこと
――――俺はキライだった。
――――あたしはいつも見ていたんだ。