私の心を救ったのは、光ではなく、闇でした―。
暮埼 奏。高校二年生。
学校が嫌い。家族が嫌い。友達と呼べる人もいない。そんなつまらない毎日にイライラを募らせていた。
ある日、奏はひょんなことで一人の男性に出会う。
山岡 裕一。31歳。無職でホームレス。
元会社社長。
一年前に交通事故で妻と一人息子を亡くし、更に自分の会社まで倒産。
ホームレスと女子高生。
普通では出会えなかった2人。
家族?友人?恋人?
どれかに当てはまるようで、どれでもないような、不思議な関係。
この2人の出会いが、2人の人生を大きく揺さぶっていく--。