今のごと、恋しく君が、思ほえば、如何にかもせむ、するすべのなさ

作者山本 結城

兄と妹。父と子、母と子。父と母。友人と友人。一つの糸が切られた時、二つの糸が絡まった。一つの糸が戻った時、全ての糸が縺れ始めた。

「これは……恋とか、そんな簡単な言葉で片付けられるような感情やない!」


 だとしたら、それは何?













「なあ、知ってるか? ──人の心ってのは、案外脆いんだよ」


 あなたの心は?













「この命、懸けてもいい。そう思えたんだ」


 迷いは、ありませんか?













 永遠に忘れられない。

 決して忘れてはいけない――沢山の記憶。

















 人は、それを〝思い出〟と呼ぶ。













 ……これは俺の宿命だ。


 そう掠れた声で静かに呟いたあなたはとても弱々しく見えて、途端に抱きしめたくなった。