はるかな約束

作者ひとひら

クリスマスの直前、彼女からの電話はサヨナラの電話でした。その後、辛い日々に耐えきれなくなった僕は、彼女に電話をかけたのです。「5年後に、もう一度会ってくれ」と。

大阪の空から降りてきたその恋は、危険な香りを含みつつも一瞬で燃え上がり、僕は有頂天になっていました。

でも、それは本当の物語ではありませんでした。

クリスマスの数日前、彼女から来たあの電話こそが、この物語の本当の幕開けだったのです。