光
約束を絵に描いて
僕は先に『流星ノ唄』を読ませて頂き、それから『王子様の手紙』を読みました。
『流星ノ唄』ではどちらかというと主に情景描写が心に残る作品でしたが、こちらの『王子様の手紙』では心情描写が強く書かれているような気がします。
ため息しか出ません。
それがこの『王子様の手紙』を読んでの感想です。
『流星ノ唄』でもそうでしたが、巧みな言葉選び、冒頭の最初から絵を描くということをあんな風に書かれる所に作者の才能を感じます。
最後の方での
最後に残ったのは私とあなた
名前ではなく、『あなた』と呼ぶ所にゾクリとしました。
その後の
2人の距離は10cm
そこから
2人の距離は0cm
文書で書く時、キャラ達の距離はとても曖昧ですが、こう書かれるとダイレクトにその風景を思い浮かべることが出来て僕は好きでした。
最後、約束を守った廉。
約束なんてちっぽけで簡単に崩れる切ないもの。でも絵に込められた約束はいつもでも色あせることなく、守られていくものだと思います。
それは、向日葵に抱かれた少女の笑顔が永遠に失われないと同じように。