Tranquilizer

作者葵衣

どす黒い欲で汚れきったこの体を何の躊躇いもなく「誰より綺麗」だとそう言って微笑んだ貴男が、あたしの過去も現在も未来さえも救ってくれた。




正しい答えなんて

始めから何一つない事を知った。



どんなに祈ったって

どんなに願ったって




神様なんて始めっから居なかったんだね。



もっと早く気付いてれば

こんな事にはならなかった?





でも、今もあたしは




在り来たりな言葉だけど

あの日、貴男に出逢えて本当に良かった。



心からそう思うんだ。




これからあたしがどうなってしまおうとも




この愛をだけは、絶対忘れたりしない。