ゆらゆら…
ゆらゆら…
月明かりが水面に反射して
部屋全体が青い光に満ちている
ゆらゆら…
ゆらゆら…
まるで水中にいるかのような錯覚
ゆらゆら…
ゆらゆら…
目の前には大きな水槽
その水槽の中には優雅に泳ぐ熱帯魚
ゆらゆら…
ゆらゆら…
――ドンッッ
「怖い顔…」
――ドンッドンッ
恐怖で引きつった顔。
口からはブクブクと空気が漏れる。
――ドンッドンッ
一際大きな空気が水面で弾けた後、フワリと浮いた。
「もう、終わり?」
力が抜けた躰は、ゆっくりと上昇し、水面に浮かぶ。
「さようなら…だね」
ゆらゆら…
ゆらゆら…
虚ろな瞳はもう何も映さない。
ゆらゆら…
ゆらゆら…
ゆらゆら…
ゆらゆら…