伊東ミヤコ

壮絶な愛のかたち
まず、読み進めていくうちに、日記形式で書かれている理由がわかりました。

その日その日の切羽詰まった状況がリアルに感じ取れるのですが、特に、四、五行で終わる短い心の叫びを綴ったページの凄みが衝撃でした。

彼女のユキの狂気に怯えるユウキ、そのユウキも狂気に支配され、また、唯一「普通」であったユウまでも…。

淡々と描写されるベッド・シーン、ユキが作る料理、細部に渡る要素に追い打ちをかけられるようでした。

それでも、穏やかな前向きなラストが用意されていたところに、作者の方の人間性が感じられ、最後は感動させられました。