時代は近未来。
トウキョウトと、それに相対する存在、夢の島。
夢の島には夢の島の住人がいて、
トウキョウトの干渉を受けずに独自の社会を作っている。
大嵐の晩、ここに、トミンの少年が流れ着いた。
瀕死の状態で、酷い傷を負って──。
コインロッカーを子宮にして生まれてきた少年たち。
ごみ溜めの頭領、夢の島の別当である方丈、
その稚児で鞠をつき続ける少年…。
そして、トミンを拾った夢の島の少年。
拾う者と拾われた者。
だがふたりはそっくり同じ顔をしていた──。
夢の島にはすべてが捨てられる。
だから──。
ここにすべてが、あるのだろう。