もしあの日に

素直になれたら


もしあのとき

彼に会わなかったら


私は恋をしてなかった。


高校生1年の山本美奈は

またあの日のことを

思い出し

教室の窓際の席から

外を見ていた。


「なぁ~に、外見てんの?」

と話しかけてきたのは


美奈の親友の川野綾。


「別に…、何もないよ!」


「えぇ~本当に? また

あの日の恋忘れてないとか?」

「違うよ!本当に違うから!」


「ならいいけど、好きだった

人を忘れるには次の恋人

つくんなきゃ!」


「うん!そうだね。」


そうだねと言ってみたけど

美奈はそんな

気分になれずにいた。