夜羽愛花

引き込む力のある物語
市太は幼なじみの華から告白された。

『夏休みが終わるまで、いっちゃんの彼女にさせて』

二ヶ月限定の関係を望む華の気持ちがわからない市太だったが、あやふやな関係の中でも、華を大切にしていた。

そんな市太は謎の男性、久遠と出会い、この世界に存在する異形――鬼の存在を知る。

それをきっかけに、物語はゆっくりと動き始め、そして――



『鬼』というキーワードに惹かれ、読ませていただきました。

どこか淡々と紡がれる物語の中で、市太が華を大切に想う気持ちがよく伝わってきました。
その想いはとても優しいのに……でも、だからこそ物語から感じる悲しい予感に幸せを願いながら読みました。

個人的には、もう少し情景描写があった方が好きなので、★をひとつ引かせていただきましたが、とても読者を引き込む力のある物語だと思います。

この上巻は、本当に気になるところで下巻へと続いています。

物語の結末がどうなるのか……
華に隠されているだろう謎はなんなのか……
とても先が気になる作品です。

おすすめです。
是非、読んでみて下さい!